梅雨とユミちゃん

イワモト名残です。

梅雨。さすがに、梅雨が過ぎる。

私の家は、駅から15分くらい歩くので、駅に向かうときも、家に帰るときもびぢょぢょ。びしょびしょじゃない、びぢょびぢょ。

梅雨の時期って、何かと梅雨のせいにしたくなる。

だってほら、湿気で髪の毛はすぐうねるし、頭は痛くなるし、肌はべとべとするし、傘は荷物になるし、仕事のやる気はいつも以上に出ないし、彼氏が出来づらい。

高校時代の、超オシャレでイケイケだった女子から、急に「名残ちゃん!元気?久しぶりに会わない?」なんて連絡が来て、当時芋臭い、お世辞にもJKとは言えない女学生だった私は、嬉しくなってすぐ会う予定を決めた。

「ユミちゃん・・!久しぶり!私のこと覚えててくれたの?私も会いたい!」

「もちろん覚えてるよー。重たいボブのイメージがずっとあるよ(笑)」

私の記憶にある女学生時代は、確かひとつくくりにしてた気がするけど、イケイケのユミちゃんがボブだと言うなら、きっとその時代ではボブなんだ。

そう言って、ゲリラ豪雨のなかユミちゃんに会ってきました。

場所は恵比寿の、なんかオシャレなバー。
下町の餃子屋に本当は行きたかったけど、ユミちゃんは多分餃子とか食べたことない。

「名残ちゃん久しぶり。変わってないね」

ユミちゃんは、相変わらず美人でキラキラしてた。

「ユミちゃんも変わらず美人さんだね、今日はどうしたの?」

ユミちゃんに誘われて、大雨のなか恵比寿に向かって、ユミちゃんから話されたことは、ひらすら投資の勧誘。

ユミちゃん・・

そんなに可愛いのに・・

学業だって、優秀だったじゃん・・
確か生徒会とか入ってたし・・

推薦で、MARCHのどこかしら、行ってたじゃん・・

「なんか、学生時代の人と距離感合わないっていうかー。私から離れていっちゃうんだよね。でも、名残ちゃんは違うと思って」

「私、この投資に出会わなかったら、いま名残ちゃんと再会してないと思う!」

こんなに美人で世の中のすべてが手に入りそうなユミちゃん。

言葉の節々が、グサグサと刺さってくる。

話し上手なユミちゃんに乗せられて、
「えっ!そんな簡単に投資って始められるの!?」って、少し本気で思っちゃったけど。

家に帰って、「投資 簡単 初心者」って、ちょっと調べちゃったけど。

すべては梅雨のせい。
はやく梅雨おわって、ユミちゃんの心も晴れますように。